自分の思いを図面に託す! 設計という仕事の実際を紹介

私は大学を卒業してから10年間、オーダーメイドの生産機械の機械設計をしていました。そこで得た経験や挫折について紹介したいと思います。

目次

設計の仕事とは

設計の仕事と言えば、図面を描く仕事を想像する方は多いと思います。

しかし図面を描くのが仕事だと思ったら、大間違いです。

本当の仕事は、お客様が求めているものを、設計し、

現場に図面を通じて作りたいものを伝えるという作業になります。

そのためには、お客様からどんなものが欲しいのか、

今持っているものにどんな不具合があって、どんなものを改善していきたいのか等、

お客様が望むものを聞き取る能力も必要です。

また、設計するために必要な知識は山ほどあります。

力学の知識、熱や流体の知識、材料の知識。作るものによって必要な知識は違えど、

それなりに時間をかけて勉強していく必要があります。

たとえ10年勉強したところで、覚えられるのは数パーセントだと思います。

そのため、勉強していたらすぐに定年を迎えてしあうので、

大体の企業ではOJT(On The Job Training)という、仕事をしながら、

仕事の勉強をしていく方法がとられています。

その他、お客様とのメールや電話の対応。設計するものの購入品の手配。

現場に流した図面に対する、質問の回答や間違えの修正。

図面の出図工程作成など、図面を描く時間がとても多く必要です。

一日8時間のうち、4~6時間は作図以外の仕事だということがほとんどです。

これだけ聞いて、「うわぁ~大変そうだー。嫌だな~」と思う方もいるかもしれませんが、

そんな設計にもいいところはあります。

設計の長所

・やればやるほど楽しくなっていく。

 専門知識が必要なことが多く、初めのころはほぼ全てがわからないところから始まります。

そのため、図面の描き方から、参考図面の味方も分からず、

自分の能力のなさに辛くなったりしますが、

そこから日々専門知識に触れることにより、わからないことがだんだん減っていきます。

そして、自分の表現したいことが図面に起こせるようになったときに、

本当に楽しさを感じます。

今までの機械では作りづらかった機構を、自分の手で作りやすく直したり、

新たな動きを追加したりできます。

そこまで行くと、設計の仕事がかなり楽しくなっていきます。

そしてそこから更に、もっと深い部分の勉強をして、

自分にしかわからないようなことまで出てくれば上出来です。

・お客様に喜んでもらえる。

 設計は自分のアイデアを形にできるため、

お客様が求めたものを作れた時は、本当に喜ばれます。

次の機械も御社で購入したいと言われたときは、

自分の存在意義を感じとてもうれしくなります。

・比較的給料が高い。

 製造業は比較的給料が高いです。

なおかつ設計の仕事は残業が多く、会社にもよりますが、

「世の中の平均年収ってこんなに低いの!?」と思うほどです。

・大きなやりがいがある。

 設計の仕事は、自分の描いた図面で何十人という人が動きます。

そして、自分の指示によって、現場の方が動きます。

その為、図面の作図が遅れれば、仕事が止まってしまうこともあります。

また、会社にとっては、設計者一人一人の存在が、

会社の存続を左右させるほどの重要なポジションとなっており、

設計者の能力が落ちると必然的に、商品の質が落ち、売れなくなってしまいます。

それほど、自分の方にのしかかるものが多く、

その代わりに自分が頼られ、大きなやりがいにつながります。

設計の短所

・基本どの会社も長時間労働が多い。

 今では長時間労働が見直され、過度な労働を強いられることは少なくなってきていますが、

自分が就職したころは、毎日8時から20時過ぎまで残業で、

土曜も17時まで仕事が当たり前でした。

その代わり、25歳くらいには手取りで30万円は裕に超えてたと思います。

場所によっては24時前に帰れればラッキーくらいの会社もあると思います。

・勉強をし続けなければならない。

 設計をしている以上、その製品の知識をお金に換えているプロです。

その為、設計に関する勉強はずっとしていかなければならないです。

また、その機械に使われる購入品も新製品が出たりするため、

そこでまた勉強が必要になります。

・責任が重い

 自分が描いた図面が間違っていると、

あっという間に100万円単位で経費が吹き飛ぶことがあります。

また長所のところでも書きましたが、肩にのしかかるものはとても大きいです。

設計をしていて苦労したところ

設計は、お客様が満足する製品を設計することがゴールである為、

ゴールまでの道筋は、設計者一人一人の個性によって変わってきます。

その為、上司や部下、他の部署の間に入ったり、

お客様と上司の意見に挟まれて大変だったこともあります。

出世をし、ある程度自分の意見が通るようになるまでは、

誰かの間に挟まれて、思い通りの図面を描けないこともありました。

まとめ

設計の仕事は、モノ作りが好きな人には本当に最適な仕事だと思います。

モノ作りが好きだから、どんどん専門知識を知りたいと思いますし、

勉強すればするほど、自分が成長し、仕事が楽しくなります。

是非モノづくりに興味がある人は、設計の仕事を視野に入れて、

就職活動、転職活動を頑張ってください。

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